BLOG

馬場さんの畑

神戸市北区フレンチオーベルジュ SETTAN AUBERGE À NORD KOBE

今回はいつも美味しい野菜を作って下さっている農家さんのご紹介をさせて頂きます。
SETTANから車で1分、里山の細道を抜けた先に馬場さんの田んぼと畑があります。
田んぼ12面、畑2面の広大な地。

今は夏野菜の季節。
トマト、オクラ、キュウリ、パプリカ、枝豆、茄子、セロリ、ししとうなど様々な種類の野菜が馬場さん夫婦と息子さん夫婦の4人で作られています。
敷地内で発酵させた有機肥料を使って栽培されているのでとにかく甘くて美味しいのです。

夏野菜だけでなく、スイカやメロンなどの果物も栽培されています。先日スイカをスタッフにお裾分けで頂いたのですが、瑞々しくとても甘くて驚くほど美味しかったです。夏バテ気味だった皆が馬場さんのスイカを食べると自然と笑顔になりました!

シェフも白茄子を収穫させて頂き、ご満悦。こちらの白茄子は柔らかくとろ~っとしていてシェフのお気に入りの野菜の1つです。今の時期、SETTANではお魚料理で登場しています。

馬場さんは現在80歳。
生まれも育ちも八多町屏風で物心ついた4、5歳の時から農家を手伝っていたそうです。
当時は太平洋戦争の最中で、馬場さんの家の上空をアメリカ空軍の戦闘機が飛んでいるのを眺めていたとの事。農家だったのでお米と野菜は沢山あり食べ物には困らず、馬場さんの家に物々交換をしたいという方が訪れていたという当時の貴重なお話を聞かせて頂きました。
67歳までは会社にお勤めに行かれながら農業を営んでおり、16代目。
今は専業農家で朝の5時半から夕方6時半まで畑で汗を流しておられます。馬場さんの元気なお姿を見ていると良い刺激を頂き、こちらまで活力が沸いてきます。
農家をするにあたり何が一番大変かと伺うと即答で『草取り』と仰ってました。

自分の気に入った美味しいと思うものを作る為に、必ず種から植えるという馬場さん。
『セロリは手間がかかって大変なんじゃよ』と言いながらセロリの苗を眺める表情はまるで我が子を育てているかのような優しいお顔でした。

『自分が植えた物を1つ1つ大切に育てる、それだけやね』と穏やかに語って下さった、馬場さん。
口数が少なく物静かですが内に秘めた農業に対する熱い思いに触れるとともに、75年にもわたりこの地で農家を営まれているという事に言葉で表せれない歴史の重みを感じました。
大切に大切に育ててくれているお野菜を自分達がどう生かしてさらにより良い料理をお客様に提供できるかを考える日となりました。

2022-07-25 | Posted in BLOG