淡河の桃
神戸市北区 フレンチオーベルジュ SETTAN AUBERGE À NORD KOBE
今回は今が旬の桃についてご紹介させていただきます。
デザートとしてご提供している『桃のかき氷』。
こちらの桃はSETTANから車で15分くらいのところにある、お隣の町、淡河町のFruits Of The Farmの中野さんからお譲りいただいています。
桃と言えば、岡山、山梨、和歌山が有名なイメージですが、こんなに近くで美味しい桃が作られているなら、お話を伺いたい!と思い、行ってまいりました。
中野さんは弟さんとお2人で桃、葡萄、苺を育てられており、農業を仕事にし始めて今年で5年。それ以前は会社員として働かれていたそうですが、農業に専念するさらに前の2年くらいは趣味で葡萄を育てていたとのこと。
桃の木がある場所は元々竹林が広がっていたので、半年かけて1人で整備されたそう!
『一番最初葡萄から育てはじめたのをきっかけに桃、苺もつくるようになりました。増えたら増えただけ大変ですが、やりがいもあります』と仰る中野さん。
淡河町だけではなく、加東市社でも桃を育てられており品種は驚きの23種。
白川白桃、清水白桃、なつっこ、まさひめ、川中島などよく知られているものから、あまり他の農家さんが作られていない山根白桃や月あかりなど珍しい品種もあります。
『まさひめ』は知る人ぞ知る、ギネス世界記録にも認定された糖度が高い桃です。
『つきあかり』はマンゴーのように甘いとのことで試食させていただきましたが、柔らかくて本当に甘く、ほっぺが落ちそうなくらい美味しい桃でした。
『山根白桃』は聞いたことのない品種でしたが、中野さん曰く、一番甘くてオススメで、ちょうどこれから収穫できる品種とのこと。
桃には剪定、摘蕾、摘果、袋掛けの4つの作業があります。
冬の間に剪定し枝を減らしてから、下向きの蕾2つくらいを残して、根本や先端、上向きの蕾は落とします。
そして春に花が咲き、開花40日から50日くらいまでに摘果します。一気に摘果してしまうと養分が急に一つにいき中で種が割れてしまうので、硬核期を避けて徐々に減らし最終摘果をゴールデンウィークくらいまでに行います。その後一気に袋掛けの作業を行うのですが、その数およそ16000個!約10日間で終わらせると言うので驚きです!
『桃にはこの4つの作業しかないですが、どのタイミングでどの作業をするかがすごく重要で、剪定の期間はある程度長く余裕はありますが木が動きだすとどんどん成長するので摘蕾、摘果、袋掛けは待ったなし。適切な作業を適切な時期にするのが美味しい桃になる最大のポイントです。全国だいたいどこの場所でも作ることはできますが、場所より作っている人が重要で作る人によって管理が変わるので桃の味が全然違います』と話す中野さん。
もちろん天候でも左右を受けやすい果物で病気も大敵。今年は雨が多いのでせん孔でついたような穴が葉っぱにできるせん孔細菌病が出て、これが実にも移り見た目がぷつぷつになります。それでも味は全く変わらず甘くて美味しいとのこと。生産者さんにお話しを伺うと、こういうことも知れるのが醍醐味の一つです。
毎年同じことをしていては結果も同じなので色々試して実験し、より良い桃を作りたいというこだわりぶり!
最後に桃づくりの楽しさをお聞きすると、『色々な種類の桃を作るのが楽しく、それを食べた方に桃ってこんなに種類があるんだと感じてもらい食べ比べしてもらって喜んでもらうのが一番嬉しいです!』とのこと。
そう笑顔でお話された中野さんはバイタリティに溢れ、良い桃作りにとことんこだわり、これからも色々なことに挑戦していきたいという強い想いを持つ、素敵な生産者さんでした。
とっても美味しい Fruits Of The Farmさんの桃は下記で購入できます!
是非、一度ご賞味下さいませ。
◆ 道の駅 淡河
◆ 道の駅 神戸 フルーツフラワーパーク大沢
◆ 農協市場館 農野花