明石浦漁協のせり
神戸市北区 フレンチオーベルジュ SETTAN AUBERGE À NORD KOBE
先日、明石浦漁協のせりを見学してきました。
日本でもトップクラスの漁協と言われる明石浦漁協。
それには様々な理由がありました。
まずは環境。明石浦漁協は兵庫県明石市の東部に位置し、明石海峡大橋から東が大阪湾、西が播磨灘。時速15㎞を超える潮流によってつくり出された複雑な地形は、多くの産卵場・育成場をもたらし四季折々約100種類もの魚が水揚げされています。これらの魚は豊富なエサを食べて育ち、早い潮流で自ずと鍛えられ身が引き締まるのです。
次に船上での処理と活け締めにも大いに関係がありました。漁師さん達は船上で徹底的に魚を大切に扱い、仲買人にバトンを繋ぎ魚を美味しく届けるため特別な活け締めを施しているのです。
ワインと似ている..
環境(土壌)と漁師や仲買人(作り手)
もちろん作り方やテクニックは違いますが、想いや考え方は実によく似ています…
話を戻しますが、通常せりと聞けば早朝にするイメージですが明石浦漁協のせりは11時から始まります。
せりが始まると場内は一気に活気に包まれこの日水揚げされた明石鯛、さわら、なまこ、コウイカ、ガシラ、太刀魚、鱧、たこなど数十種類をセリ人がテンポよく流していきます。あまりのスピードに圧倒されながら、いくらの値がついたのか耳を澄ませて聞くのですがもちろん隠語なので分かりません。。。
真剣な表情で仲買人さんが次々と魚をせりおとし、この日のせりは1時間20分ほどで終了しました。
下の写真は75歳の漁師さんが1人で4時間かけて1本釣りした100匹あまりの太刀魚です。すごい…
最後に…
SETTANに魚を卸してくれている『つる一』の鶴谷さんの言葉が心に響いたので載せさせて頂きます。
『僕はリレーだと思っている。誰がかけても成り立たない。海があり、魚がいて、漁師さんがいて、僕たち仲買人がいて、料理人がいて、お客様がいる。全ては繋がっている。お客様のお口に運ばれて美味しいと言ってもらえてようやく僕らの仕事が終わる。想いが強いほうが幸せになっていくと思うし、楽しい』
シンプルな言葉の中に鶴谷さんのお人柄と熱い思いが垣間見え、胸が熱くなりました。
そんな鶴谷さんがいる明石浦漁港。
是非一度行かれてみてください。